税務調査について




税務調査とは一般的には国税局または税務署により行われる調査の総称で、脱税を告発する目的で行われる国税犯則取締法(下記赤書)による査察調査(いわゆるマルサ)や、国税通則法による調査、更に滞納処分のための財産調査なども税務調査に含まれます。

当ページでご紹介させていただく税務調査はこの中の国税通則法に基づく調査であり、世間一般で税務調査と称されている調査はほとんどこの調査の事を指しております。

税務調査というのは申告納税制度を維持していく上で必要不可欠の制度です。確かに調査を受ける立場に立ってみれば耐えがたい緊張感とストレスで、金銭的な負担だけではなく精神面でも大変な思いをさせられるのも事実ではありますが、国の歳入や公益を考えた場合、ある程度は国民側も許容せざるを得ない制度だとも思っております。

筆者としてもこの様に税務調査の必要性も重要性も充分に認識をしております。但し行政側がちゃんと法に基づいて適切な税務調査を行ってくれれば、との前提での話です。

残念な事に、現実の税務調査の中には、かなり法を逸脱した乱暴なやり方、時には犯罪的だとも思われる調査を行政機関である国税局や税務署が行う場合があります。具体的には本文の方でご紹介させていただく事となりますが、国民に奉仕すべき(公務員法)公務員が、国民に対して法をも逸脱した違法な税務調査を行うという事は、税務調査が国民の財産権等の人権をも侵害する可能性も高い強権的な性格を持っている以上、非常に危険な事だと私たちは知っておく必要があります。

なお平成30年4月からは国税犯則取締法が廃止され国税通則法に組み込まれることとなりました。つまり任意調査を規定した国税通則法に何とマルサの強制調査規定も組み込む訳であり、調査の強権化に拍車がかかることが想定されます。




   その1 税務調査とは何か


税務調査とは?
税務調査の99%は任意調査です
憲法と課税の要件について
基本的人権と税務調査
税務調査の法的根拠と開始手続
調査の実施と問題点
現況調査は違法な調査です
反面調査はやむを得ない場合のみ実施
調査対象年度が途中でプラスされることもあります
税務調査の終了手続
修正申告書の提出という行為について
附帯税について
税務調査の結果に不服がある場合は




    その2 違法性のある税務調査

リョーチョー調査とは
リョーチョー調査の一例(北村事件)
リョーチョー調査の目的
無予告で突然行われる税務調査
税務調査十カ条
もし無予告で税務署が来た場合は?
威圧感を与える「質問応答記録書」
「調査」ではない「調査」
遅れた日本の法的整備




  その3 税務調査の対応

税務調査を受けるときの事前準備
税務調査を断る事は可能か
調査の際の調査官に対する応対
書類のコピーや帳簿の借用は?
税務調査の録画や録音は?
調査官は単なる世間話は行わない
経営者の視線はどこに向いているかに注目
電話機の周辺はチェック項目
税務調査の対象者はどの様に選ばれるか
調査の理由を絶対に明かさない課税庁
反対に税務調査は入らない企業とは
税務調査に「勝つ」ためには?
企業としての理想像は?



    その4 調査官にとっての税務調査

調査日数と件数とで一年中追い詰められている調査官達
件数だけではなく増差所得と重加のノルマ
調査官も人の子
調査官から見て良い企業良い税理士とは?
申告是認は調査官にとって悪夢そのもの
修正申告での決着は絶対条件
修正申告書を提出させるためのアメとムチ作戦
増差所得は遡及年数で稼げ
税務調査のやり方に疑問を持つ調査官もいます
物言わぬ「徴税ロボット」を望む国税庁
人間的な付き合いにも制限がある調査官
勤務時間を離れても24時間ずっと調査から離れられない
人前で誇れない仕事に悩む調査官
最悪な職場環境




   その5 税務調査の具体的事例

収入金額(売上)の調査
売上原価の調査(仕入や外注費等)
在庫の調査
人件費と源泉税の調査
交際費の調査
その他の経費の調査
消費税の調査
印紙税の調査
その他参考事項
相続税の調査





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